ノキア、ドコモ、NTT3社による2つの技術開発により、6Gが大きく前進
#MWC23
- AIネイティブの無線インターフェースにより、無線は学習能力を得ることができる。
- サブテラヘルツの周波数帯域は、今後の6Gネットワークに巨大な通信容量をもたらす。
2023年2月15日
エスポー(フィンランド)–ノキア(本社:フィンランド エスポー)、株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区、以下ドコモ)、日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、以下NTT)は今日、6Gへの道のりにおいて2つの重要な技術開発に成功したと発表しました。1点目は、人工知能 (AI) と機械学習 (ML) を無線インターフェースに実装し、実質的に6G無線に学習機能を搭載します。2点目は、新しいサブテラヘルツの周波数帯域を利用して、ネットワークの通信容量を劇的に向上させることです。
AIネイティブの無線インターフェイスとサブテラヘルツの周波数帯域は、いずれもノキア、ドコモ、NTTが将来の6Gネットワークのために取り組んでいる重要な研究テーマです。これらの技術によって、新しい没入型メタバースとクロスリアリティ(XR)体験、および新世代のモバイルアプリケーションへの道が切り開かれることになるでしょう。このパートナーシップにより、ドイツのシュツットガルトにあるノキアベル研究所では両方の技術が概念実証として具体化されています。ノキアは2月27日~3月2日にバルセロナで開催されるMobile World Congressで6GのAIネイティブ無線インターフェースのデモを行います。
ノキアベル研究所、ドコモ、NTTの研究者は、送信機に搭載されたAIベースの機械学習の波形と、ディープラーニングを用いた受信機を組み合わせることで、さまざまなシナリオで効率的にデータを送信できる機械学習された無線インターフェースを設計・実装することに成功しました。このAI/機械学習ベースの実装により、信号のオーバーヘッドが大幅に削減され、スループットが最大30%向上しました。
さらに、AIネイティブの無線インターフェースにより、6Gネットワークはアプリケーション、デバイス、またはユーザーが要求する接続タイプに柔軟に対応できるようになります。例えば、工場内のネットワークを産業用センサー用に一度に最適化したり、ロボットシステムやビデオ監視用に再構成したりすることができます。パブリックネットワークでは、AIによって強化されたネットワークにより、高速で走行する緊急車両だけでなく、XRを使用している歩行者にも最適化された接続を提供することができます。
サブテラヘルツの帯域(100GHz以上)は、その伝播特性のために携帯電話で使用されたことはありませんが、ビームフォーミングなどの新しい技術により、これらの周波数帯域が将来の6Gネットワークに開放される可能性があります。この高周波数帯域は、6Gのもう1つの重要な機能になりうる高精度の無線センシングに適しています。このパートナーシップの概念実証では、ビームフォーミングを使用して144GHzのキャリア周波数と単一の256QAMストリーミングで25 Gbpsの通信接続を実証することができました。 サブテラヘルツの帯域にアクセスすると、6Gネットワークに膨大な通信データを取り込むことができます。サブテラヘルツの帯域は、通信容量を全体的に向上させるだけでなく、数ギガビットの平均通信速度を必要とする最も高帯域の将来のユースケースに対して6Gネットワークが対応できるようになります。
ノキア、ドコモ、NTTは、次世代ネットワークの主要技術を共同で定義し、開発することを目的として、2022年6月に初めて6 Gパートナーシップを開始しました。今回のパートナーシップは、ドコモとノキアが長い間共同開発を行ってきた歴史を引き継いでいます。1990年代の3G、それに続く4G、そして5G O-RANを含む今日の5Gに至るまで、両社の協業によりアイデアを着実に実現し、新境地を開いて、エンドユーザーに最適な体験を提供してきました。
ドコモのチーフテクノロジーアーキテクトの中村武宏様は次のように述べています。「2022年6月に開始したNTTおよびノキアとの協業の成果として、6Gに向けた2つのキーテクノロジーの着実な進展を発表できることを喜ばしく思います。協業を通じて、革新的な6G技術を確立し、6Gのグローバルな標準化・商用化に貢献していきたいと思います。」
ノキアベル研究所のコア研究部門のプレジデントであるピーター・ベッターは次のように述べています。「6G時代に向けて、通信を起点として、ネットワークは自身で考え、感知し、作用し、デジタルと物理の現実をつなぐポイントになります。ドコモ様とNTT様とは6Gのビジョンを共有し、その未来に命を吹き込む基礎研究を共同で行っています」
私たちは、6Gが既存の技術やシステムの上に構築されるだけでなく、ネットワークの能力を拡大し、変革するものになると考えています。それは人間、現実、デジタルのそれぞれの世界を融合させ、私たちに本来備わっている人間の可能性を飛躍させます。これを達成するためには、将来の6Gネットワークの重要な要素となる主要なテクノロジーが6つあると考えています。この6つのテクノロジーとは、新しい周波数帯、AIネイティブなエアインターフェース、センサーとしてのネットワーク、極めて優れた接続性、認知的で、自動化され、特殊化されたアーキテクチャ、そして、信頼性の高いセキュリティです。
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